2022年6月にブログにて公開しました大村線のICカード運賃誤収受についての記事、私も少し気になったので、2022年8月に長崎地区へ訪問した際にICカードで乗車し、駅の券売機やスマホアプリで履歴を確認してみました。
2024年1月に、福岡市地下鉄の券売機で検証した際の履歴やその後の動向につきましても記事内に追加しておりますので、ぜひご覧ください!
もくじ
- 2022年6月に公開したブログ記事へのリンクはこちら
- 大村線・岩松駅に掲示されていたお詫び
- JR九州の券売機での履歴印字
- 福岡市地下鉄の券売機での履歴印字(2024年1月加筆)
- iPhoneのアプリでの履歴表示
- SFCard Viewer 2での表示(2024年1月加筆)
- 上記2つのアプリでの検証結果
- 2022年6月に行った検証の振り返り
- リンク
大村線・岩松駅に掲示されていたお詫び
駅に掲示されていたお詫びによると、2022年6月28日の始発から8時までの間、設置されている簡易IC改札機にて設定不具合により一部誤った処理を行っていたとのこと。
修正されるまでの間、岩松、大村、諏訪の3駅から諫早駅方面や竹松駅までICカードを使用して乗車した場合は、誤って高い運賃を収受していた可能性があったようです。
また、SUGOCA定期券を利用していた場合にも、誤って運賃を収受した可能性があるということです。
JR九州の券売機での履歴印字
8月22日に大村線のSUGOCA導入駅である竹松、諏訪、大村、岩松、(諫早)の各駅に訪問。
ICカード・はやかけんで乗車して、確認しました。
履歴印字は、2022年9月に行ったものです。
長崎→岩松→大村→竹松→諏訪→諫早の順に訪問し、履歴表示・印字がどうなるかを検証。
訪問時点ではすでに不具合が修正されていたためか、大村線の4駅については駅名が正しく表示されました。
福岡市地下鉄の券売機での履歴印字(2024年1月加筆)
先ほどご紹介しましたICカード・はやかけんで乗車して、確認したものを、福岡市地下鉄の駅に設置されている券売機で履歴印字したものをご紹介します。
履歴印字は、2023年3月に行いました。
長崎→岩松→大村→竹松→諏訪→諫早の順に訪問し、履歴表示・印字がどうなるかを検証してみましたところ、諏訪駅、大村駅、岩松駅の駅名表記が異なるものになりました。
以下の表では、実際とは異なる点を赤字で示します。
実際に乗降した駅 | 印字された駅名 |
---|---|
長崎 | 長崎 |
竹松 | 竹松 |
諏訪 | 大村 |
大村 | 岩松 |
岩松 | JR九州 |
諫早 | 諫早 |
表を見てみますと、実際に乗降した駅とは1駅分履歴印字の駅名がずれていることがわかります。
この履歴印字を見てみますと、岩松駅でICカードの残額を使ってきっぷを購入したような印字になってしまっていますが、岩松駅にはICカード対応の券売機は設置されていません。
その後、2023年7月に改めて同じ福岡市地下鉄の駅に設置されている券売機にて同じICカードの履歴を印字してみたところ…。
2023年3月27日の福岡市地下鉄七隈線の天神南~博多間の延伸開業時にソフト改修が行われたようで、履歴印字の誤りは修正され、諏訪駅、大村駅、岩松駅で乗降した際の履歴は正しく表記されるようになっていました。
iPhoneのアプリでの履歴表示
アプリ上ではどう表示されるのかが気になりましたので、iPhoneにインストールしている「ICカードリーダー by マネーフォワード」というアプリでもはやかけんの履歴を確認することにしました。
なお、以下の画像は2022年9月23日時点で公開されていたバージョン1.7.9で検証したものです。
長崎~岩松間乗車
岩松~大村間乗車
大村~竹松間乗車
竹松~諏訪間乗車
諏訪~諫早間乗車
SFCard Viewer 2での表示(2024年1月加筆)
パソコンにダウンロードが可能で、接続しているICカードリーダライタから交通系ICカードの履歴を表示できるソフト、「SFCard Viewer 2」でも確認してみました。
なお、以下の画像は記事を加筆した2022年9月24日時点でのバージョン、Ver. 2.6.5にて検証しています。
その後、2023年12月20日に公開された最新のバージョン、Ver. 2.6.6(以下の画像参照)にて駅名の誤りは修正されています。
上記2つのアプリでの検証結果
ICカードの履歴表示アプリで確認してみた結果、意外な結果になりました。
以下の表では、実際とは異なる点を赤字で示します。
ICカードリーダー by マネーフォワード
駅名 | 表示された内容 |
---|---|
長崎 | 長崎(JR長崎本線) |
竹松 | 竹松(JR加古川線) |
諏訪 | 大村(JR大村線) |
大村 | 岩松(JR加古川線) |
岩松 | 駅名が未登録です |
諫早 | 諫早(JR長崎本線) |
SFCard Viewer 2(Ver.2.6.5)
駅名 | 表示された内容 |
---|---|
長崎 | 長崎 |
竹松 | 竹松 |
諏訪 | 大村 |
大村 | 岩松 |
岩松 | ■■未登録■■ |
諫早 | 諫早 |
福岡市地下鉄の券売機やスマホアプリの履歴表示・印字から、諏訪駅、大村駅、岩松駅の駅コードが、2022年9月23日の新大村駅開業に伴って1駅分ずらされていることが判明しました。
諏訪→大村、大村→岩松、岩松→未登録あるいはJR九州と事業者名表記になっており、アップデートで対応するまでの間、これら3駅の乗降履歴が誤った駅名で表記される可能性があります。
また、2022年9月23日に開業した新大村駅の履歴につきましても、別のICカードを使用し検証してみたところ、福岡市地下鉄の券売機での履歴印字では2023年3月のソフト改修まで諏訪駅と誤って表記されていたほか、一部のアプリでは2024年1月時点でも諏訪駅あるいは未登録と表示される可能性があります。
大村駅では券売機でICカードの残額を使ってきっぷを購入したのですが、どちらのアプリでも岩松駅できっぷを購入したような表記になっています。なお、岩松駅にはICカード対応の券売機は設置されていません。
また、ICカードリーダーby マネーフォワード側では、竹松駅や岩松駅の路線名がJR加古川線になっていますが、これはアプリ側の登録ミスでしょうか。
2022年6月に行った検証の振り返り
2022年6月公開のブログ記事で、新大村駅開業のために駅コードが1つ後ろにずらされたのではないかと考えましたが、券売機での履歴印字とアプリ上での表記の違いから、この予想は正しいと判断しました。
2022年6月28日の始発から発生していた誤収受のミスは、本来ならば改修後に1つ後の駅コードを適用しなければならないところを、誤って改修前と同じ駅コードを諏訪、大村、岩松の3駅で適用したため、
諏訪→新大村、大村→諏訪、岩松→大村
の入場データをタッチ時に記録し、出場時に誤った運賃を徴収したものと考えられます。